2012年01月18日

復帰以降の沖縄経済と自立発展に向けての展望その3



復帰以降の沖縄経済と自立発展に向けての展望 その3


 

経済の自立化に向けた発想の転換を


 

ゲーミング産業の導入で国際観光都市へ


 

 司会 荻堂沖縄県商工会連合会長よりも復帰以降の歩みをふリかえりながら規状と課題についても話題を展開して頂きたい。


 

復帰以降41商工会設立へ


 荻堂会長 昭和47年5月15日に、本土復帰して今年5月で33年になりますが、復帰する以前までは沖縄は米軍支配体制下にあったことから本土法が適用されておりませんでしたので、沖縄における商工会は任意組織でありました。


復帰前、県内には
10ヶ所の商工会が設立されておりましたが、法人格を有する商工会はありませんでした。


昭和
47年5月15日の祖国復帰の実現により根拠法である「商工会の組織等に関する法律」が適用される運びとなりました。このことを受け、商工会の組織づくりと商工会事業推進の機運が一挙に高まり、昭和48年3月31日那覇市「ゆうな荘」において、7商工会(浦添市、具志川市、名護市、石川市、本部町、与那原町、金武村)によって設立総会が開催され、全会一致で商工会連合会の設立が議決されました。


同年6月
16日県知事の認可を受け、6月23日設立登記を完了、7月1日、4名の職員で事務所を那覇市上之屋の中小企業会館に開設、商工会の組織及び事業支援を行う特殊法人として発足しました。その後商工会づくりは、各地域に広まり、平成16年3月31日現在、41商工会(内訳市7、町15、村19)を擁し、草創期に比べ格段の組織強化が図られ今日に至っています。


商工会においても大きい組織になりますと会員が2千人規模もありますが、過疎地域の農村になりますと会員が
100人程度の規模もあり、だいたいは200人から300人の規模の
商工会が多く存在しております。

商工会は地域商工業の発展並びに地域経済の活性化に大きな役割を果たしております。しかしすべて十分機能しているということではなく、苦戦苦闘している商工会もありますが、組織の強化と事業の拡充を図るとともに、もっと経営指導を強化していく体制を確立して参りたいと思っております。


復帰以降、郊外型大型店舗の進出により、既存中小零細商店は大変厳しい状況になっており、どう活性化を図り消費者の二−ズに対応した店舗づくりをするのが大きな課題となっております。


そこで、沖縄県商工会連合会の平成
15年度の事業報告に当たっての総括的概要について申し上げることに致します。


平成
15年度の県内経済は、観光入域客が過去最高の508万人を超え、好調を維持し、消費関連も堅調に推移するなど、県内景気は緩やかに回復を続けているといわれています。しかしながら、建設業は、公共工事や住宅着工が減少し厳しい状況が続いており、また、小規模企業も本会が実施した中小企業景況調査によりますと、業況D−(景気動向指数)はマイナス幅は縮小しましたが、回復を実感するまでに至っておらず、全体としてはまだまだ厳しい1年でありました。


商工会を取り巻く環境変化も大きなものがあり、国の補助金等の見直しに関する「三位一体改革」により、県や市町村からの補助金が減少するとともに、市町村合併の促進に伴い商工会の合併・広域連携への取り組みも求められております。


このような中、同年度は、「地域経済に活力! 示せ機動力、創造力、実行力」をスローガンに諸事業に取り組んでまいりました。本会設立30周年記念の節目の年にあたり記念事業としては、記念式典の開催、全商工会参加による特産品フェアーの開催、記念誌の発行などを実施しました。さらに大きな課題であります財政基盤強化対策としては、既存の各種共済制度の加入推進運動の実施、さらには、全国商工会会員福祉共済制度、通信費削減支援事業(ひまわりコール)などを積極的に推進してまいりました。


また、既存企業の経営革新を円滑に進めるために調査研究委員会を設置し「小規模事業者の経営革新の進め方」を取りまとめるとともに、商工会の広域連携推進会議や商工会合併問題研究会への参加、消費税改正に伴う研修会、創業塾などを実施しました。雇用問題への対策としては、各種労働関係の会議等への参加、県の受託事業として地域雇用開発推進員配置特別事業や就業体験コーディネーター配置事業などを実施し、さらに、「日米地位協定の抜本的見直しについて」決議し、実現に向けて行動しているところであります。


職員の人材育成事業としては、各種研修会等を開催することもに、「職員の資質向上・人材育成プログラム」を策定し、各種資格取得を支援し新たな二−ズ・役割に応えられる職員を育成することとしました。また、人事評価システムや人事交流の円滑な推進について人事一元化の導入の検討をしました。


つぎに、平成
16年度事業実施に当たり基本的な考え方並びに事業の内容について触れることと致します。


県内景気動向は、観光入域客や主要ホテルの稼働率が高水準にあり好調を維持、消費も自動車販売やスーパーなど堅調に推移し、建設関連も生コン、鋼材が前年を上回り持ち直しの動きが強まっており、緩やかな持ち直しの動きが強まっているといわれています。しかしながら、先行きについては建設関連が公共工事の減少等が予想され、雇用情勢も完全失業率が悪化傾向にあるなど、地域の中小企業にとっては依然厳しい状況にあります。


商工会を取り巻く環境は、市町村合併の促進に伴う合併や広域連携への取り組みが求められ、また、国庫補助金等の見直しに関する「三位一体改革」による県や市町村の財源に大きな影響が予想されることから、商工会の財政問題が憂慮されているところであります。


とくに、新規会員加入促進運動の展開、全回商工会会員福祉共済制度の加入促進による会員及びその家族・従業員の福利厚生の充実、さらには、通信費削減支援事業(ひまわりコール) の推進による会員や地域住民等も含めた方々への支援などに取り組み、商工会の財政基盤の強化を因ることこします。


また、職員の資質向上・人材育成プログラムに基づき、各種資格取得などを支援し、新たな役割二―ズに応えられる職員を育成することとし、人事交流の円滑な推進については、人事の一元化の導入と併せて検討することとします。


商工会合併については、市町村合併の進展状況を見極めつつ商工会合併への対応、推進行動プランの策定など調査研究を実施し、商工会が行う合併や広域連携の調査研究・推進会議などに対して支援体制を強化してさました。


平成
15年度取りまとめた「経営革新につなげる方策」に基づき経営革新支援法の承認企業の輩出支援、消費税改正に伴う研修会、商工会会長研修等の拡充、特産品フェアーの開催や「沖縄ありん・くりん堂」を運営してさました。


〔鰹t夏秋冬社発行 月刊「自治新報」
20051月新春号〕


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2012年01月17日

復帰以降の沖縄経済と自立発展に向けての展望 その2




復帰以降の沖縄経済と自立発展に向けての展望 その2

経済の自立化に向けた発想の転換を

ゲーミング産業の導入で国際観光都市へ


 

国の各種施策で沖縄発展の基盤づくりが進展

 仲井眞会頭 沖縄県は、去った第2次世界大戦において、わが国唯一の地上戦が展開され、20万余人の尊い人命を失うという悲惨な歴史があります。戦後も27年間という長期にわたる異民族支配体制下におかれ、昭和47年5月15日に長年の悲願でありました本土復帰を実現したのであります。


戦後わが国の復興は、昭和
25年の朝鮮動乱の勃発がその足掛かりとなり、昭和30年代には池田勇人総理大臣の誕生により所得倍増計画が打ち出され、昭和37年にはわが国はじめての全国総合開発計画に基づき、各地方都市に新産都市が誕生するなど重化学工業を中心とした発展により世界に類例を見ない高度経済成長を遂げ、さらに昭和39年の東京オリンピックに向けた新幹線の整備や高速自動車道等の整備に伴い、世界第2の経済大国に成長を遂げました。


しかし、わが国の高度経済成長を推進する中で、沖縄県は国の施策や制度の適用が受けられず、米軍の施政権下でガリオア・エロア資金等の植民地政策の中で、細々とした社会資本の整備にとどまり、本土この間に各面で大きな格差が生じました。


このようなことからわが国政府は、沖縄県の復帰に伴い、沖縄振興開発特別措置法に基づく高率補助を適用することにより、本土と沖縄に生じた格差を是正し、自立発展の基礎条件の整備を積極的に推進して参りました。


沖縄振興開発特別措置法は、
10年間を期限とする時限立法ですが、復帰10年では同法の目標である沖縄県の経済自立も達成はできなかったことから、昭和57年、平成4年、平成14年と3回にわたり沖振法は延長され、現在は平成23年度を目標年次とする第4次沖縄振興計画が推進しているところであります。


昭和
47年から平成16年度までに投資された沖縄振興開発事業費は7兆5,968億円に達しております。


そのうち、道路整備事業は2兆
6,974億円で全投資額の35.5パーセントを占め、次いで上下水道廃棄物等で1兆3,682億円と全体の18パーセントを占めております。そのほか空港、港湾の整備や農業基盤整備、漁港整備、医療福祉、水資源開発、学校教育施設整備、都市公園等この32年間で沖縄県の社会資本は各面にわたって一段と整備がなされました。


このように、お国の沖縄に対する各種の施策により県民一人当たりの所得は、復帰時の
44万円から平成13年度には2058,000円となり著しい所得の拡大が図られましたが、依然として全回所得水準からすると約70パーセントとなっております。

その期間の県経済の年平均実質成長率は
6.6パーセントで日本経済の年平均実質2.8パーセントを大きく上回っております。これは県民の努力はさることながら沖振法という特別措置法が大きな効果を発揮することになったと評価できると思います。


昭和
47年から平成13年度までの県民総所得は、実賃値で6,612億円から3兆7,948億円と約5.7倍に増加致しました。


沖縄県の人口は、復帰時の
96万人から現在では135万人と全国でも最も高い増加率を示しております。


沖縄の観光も昭和
50年に本部町において開催された沖縄国際海洋博覧会が契機となり、沖縄観光が全国から脚光をあびるようになり、昨年はついに508万人を達成し、復帰時の445,000千人から約12倍に達し、今や沖縄経済を支えるリーディング産業としてのゆるぎない地位を築き、更なる発展が期待されているところであります。


また、沖縄振興開発金融公庫も政策金融から沖縄県の経済社会の振興開発を図ることを目的として、昭和
47年、沖縄の本土復帰と同時に設立されましたが、その意義は大きなものがあります。


同公庫は、本土における日本政策投資銀行、国民生活金融公庫、農林漁業金融公庫、中小企業金融公庫等の融資業務に相当する業務を一元的に行ってきました。また、県内企業の育成に資するため、民間企業への出資機能、債務保証機能、社債取得機能及び貸付再建の譲受機能が付与されています。


平成
16年3月末の公庫の貸付残高は1兆5,049億円となっています。なお、資金別貸付残高は産業開発資金4,405億円、中小企業等資金2,623億円、住宅資金7,203億円、農林漁業資金366億円、医療資金242億円、生活衛生資金209億円等であります。


これらの資金の貸付は、本土の各公庫等の貸付制度に準じていますが、貸付金利をはじめ貸付条件を本土の各公庫等より有利にするなど沖縄の実情に配慮した仕組みとなっております。


以上のように、これまで政府はよくやって頂いたと高く評価しているとこうです。とくに故山中貞則先生をはじめ、多くの先生方、政府、全国民に感謝申し上げたいと思います。


平成
14年度からスタートした第4次沖縄振興特別措置法は、これまで30年に及ぶ沖縄振興開発特別措置法とは若干異なり、経済の自立のため、魚よりも釣り竿などの道具を提供して頂きたいと知事は政府に要求しております。

それはこれまでの補助金などの振興開発資金に加えて、沖縄県の経済社会にあった制度をつくって頂きたいということですが、さらに米軍基地返還後の跡地利用についても同法に盛り込まれたのが大きな特徴の一つとなっております。


百点満点かどうかは別にして、沖縄に対する国の振興開発は制度面や資金面においても非常によくやって頂いたと思っております。

〔鰹t夏秋冬社発行 月刊「自治新報」20051月新春号〕



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2012年01月16日

復帰以降の沖縄経済と自立発展に向けての展望 その1




復帰以降の沖縄経済と自立発展に向けての展望 その1

経済の自立化に向けた発想の転換を

ゲーミング産業の導入で国際観光都市へ

2005年新春座談会では、復帰以降の沖縄経済と自立発展に向けての展望について、仲井眞弘多那覇商工会議所会頭(現沖縄県知事)、荻堂盛秀沖縄県商工会連合会会長、國場幸一沖縄経済同友会代表幹事(現那覇商工会議所会頭)のご出席を頂き、鰹t夏秋冬社代表取締役仲里嘉彦(現万国津梁機構理事長)の司会のもとに行われた。

以下は同座談会の内容を連載することにする。


座談会出席者

仲井眞 弘 多 那覇商工会議所会頭


荻 堂 盛 秀 沖縄県商工会連合会会長


國 場 幸 一 沖縄経済同友会代表幹事

司 会  鰹t夏秋冬社代表取締役仲里嘉彦

  司会 本日は、仲井眞弘多那覇商工会議所会頭、荻堂盛秀沖縄県商工会連合会会長、國場幸一沖縄経済同友会代表幹事の沖縄経済界トップの方マにご出席を頂き、2005年新春座談会を開催致したいと思いますが、まずはじめに、復帰以降から今日まで32年間の沖縄経済の歩みと国の沖縄に対する各面にわたる施策についての評価をして頂いた上で、現状と課題を踏まえながら、沖縄経済の自立発展に向けての方策等について、順次話題を展開して頂きたいと思います。

まずはじめに、昭和47年5月15日に、祖国復帰が実現したのに伴い本土との格差を是正し、自立発展の基礎条件を整備するため10年の時限立法による沖縄振興開発特別措置法が制定され、全国に比べて高率補助で社会資本の整備が積極的に推進されました。

ところが復帰後の10年間で当初の目標を達成することができながったことから、沖縄振興開発特別措置法は、昭和57年、平成4年、平成14年とそれぞれ同法は延長され、現在は第四次の沖縄振興開発特別措置法が平成23年度を目標年次として各面にわたる施策が展開されているところであります。

しかし、復帰に伴い制定された沖縄振興開発特別措置法の目的である本土との格差は依然大きなものがあり、沖縄の自立発展に効果が出てないという意見もあり、国の沖縄県に対する施策についての効果は一様ではありません。


そこで、仲井眞那覇商工会議所会頭からは、具体的な数字をもって、復帰以降がら今日までの成果と評価について話題を展開して頂きたいと思います。

〔鰹t夏秋冬社発行 月刊「自治新報」
20051月新春号〕


posted by 万国津梁 at 09:20| 沖縄 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 月刊「自治新報」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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